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支援学級卒業後の進路への影響と選択肢について解説

  • 中学校で支援学級だと内申点がつかないって本当?
  • 小学校・中学校で支援学級にいたことが、将来の進学や就職に悪影響があるか心配。
  • 支援学級のその後の進路の選択肢について知りたい。

こんな悩みを抱える方のために、支援学級が内申点の関係や、中学卒業後の進路の選択肢と決め方のポイントについて解説していきます。

ポイント

  • 支援学級を利用すると内申書に影響はあるのか?
  • 発達障害グレーゾーンの中学卒業後の進路の選択肢
  • 進路を考える時のポイント

私の子どもはADHDのグレーゾーンです。診断名はついていないものの、投薬を受けたり児童発達支援に通ったりしながら日々成長しています。

発達障がいグレーゾーンの子どもが定型発達の子どもの集団の中で生きる大変さを親として側で見てきました。

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発達障害を持つ有名人たちの成功は、障害を抱える多くの人々に希望を与える。著名人が障害を公表して活動してくれることで、社会の中で障害を持つ人々の可能性と理解を広がるだろう。

また、保育士として療育の現場に勤務する発達障がい児支援のプロでもあり、日々発達障がいの子どもたちとともに過ごし、子ども達の健やかな成長と保護者の支援を仕事としています。

自立に向けて日々成長をしている子どもたち。支援学級が必要な支援だったとしても、進学に影響を与えるようだと利用するのはためらってしまいますよね。多感な中学時代に直面する進路の選択は、親としても対応が難しくて悩ましい問題です。この記事では、お子さんの進路を考える時に大切な考え方をわかりやすく解説しています。ぜひ最後まで読んで知識を深めて、お子さんのために最適な答えを導き出しましょう。

支援学級だと内申書に影響がある?

発達障害グレーゾーンで知的な遅れがなく療育手帳を持っていない場合、中学校卒業後の進路に特別支援学校は選べません。発達障害グレーゾーンの子どもは、定型発達の子ども達と同じように、受験をして高等学校に進学することになります。

支援学級だと内申点がつかない

こんな話を耳にしたことがあるお母さんは多いのではないでしょうか。私もママ友さんからこの話を耳にして不安になりました。確かに、小学校の時は通常学級で受けていない教科の通知表の評価は空欄で、その教科の通知表は支援学級からもらいました。

内申点がつかなければ受験でかなり不利になってしまいますが、実際はどうなのでしょう。

ADHDグレーゾーンの息子の場合

  • ADHDグレーゾーンで知的な遅れがなく療育手帳を持っていない。
  • 小学校では算数の授業を別室で受けていた。少人数で過ごすことで落ち着きを取り戻していた。
  • 中学入学で大きく環境が変わるため、数学を別教室で受ける同じ体制を継続する予定。

中学校でも支援学級に入ることは決めていたものの、「支援学級は内申点がつかない」という噂が心配なので、中学校に数学の内申点はどうなるのか確認しました。結果、中学校からの回答は「影響ない」とのことでした。(大阪府の中学校)

中学校からの回答

  • 「支援学級に在籍している=マイナス評価」ではない。
  • 他の生徒と同じ定期テストを受けるのであれば同じ評価システムで評価される。

概ね、このような回答でした。学習面で支援が必要で、異なる内容の定期テストを受ける場合は、違った評価システムになる可能性があります。

実際に中学入学した後、別室で数学の授業をうけましたが、定期テストは通常学級で受けました。支援学級からの通知表もありましたが、通常学級の通知表にも数学の評価がありました。

通知表を受け取るまでは、本当に数学に評価がついているか心配でした。この点について不安がある方は、通われる予定の中学校に直接問い合わせて確実な情報を得るのが一番安心です。学校の進路指導の先生、または支援学級の責任者(コーディネーター)の先生に確認しておきましょう。

特別支援学級卒業後の進路

お子さんに最適な進路を選ぶために、まずはデータで進学先を知りましょう。この章では、支援学級卒業した子ども達の進路状況と卒業後の選択肢について説明します。

特別支援学級卒業生の半数が高等学校に進学している

特別支援学級卒業後の進路選択はH20→R3で大きく変化している。

平成20年度では10,945人だった支援学級卒業生の人数が、令和3年度には23,456人と倍以上に増えています。平成20年度には22.6%だった高等学校への進学率が令和3年度には48.9%まで上昇しています。これは情緒面の支援のために特別支援学級に入級する子どもが大幅に増えているためです。発達障害グレーゾーンの子どもの場合、療育手帳を持っていない子どもが多く、高等学校進学を目指すことになる子どもの割合はさらに多くなるでしょう。

出典:「政府統計の総合窓口(e-Stat)」、学校基本調査(文部科学省)ー「令和3年度初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書掲載集計》 卒業後の状況 中学校」、「学校基本調査 平成20年度 初等中等教育機関・専修学校・各種学校《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 中学校」よりデータ引用

支援学級卒業後の選択の幅は広がっている

特別支援学級卒業後の進学先。高校の先の希望も念頭に選択しよう。

特別支援学級を卒業した子どもたちの7割以上が特別支援学校に進学してい15年前に比べると、現在は半分以上が特別支援学校以外の進路を選択しており、選択肢の幅は広がっていると言えるでしょう。

発達障害に理解のある高校が増えている

通級指導学級がある公立高校もあります。授業のほとんどを通常学級で行いながら、一部の授業を通級学級で受ける形です。公立高校の通級指導学級は、全国の都道府県に設置されています。

私立高校でも発達障害に理解があり受け入れに積極的な学校もたくさんあります。発達障害に理解がない学校に、発達障害を隠して入るようなことは避けましょう。お子さんの特性をありのまま伝えて、特性に理解を示して相談に乗ってくれる学校を選ぶのがお子さんのためになります。

高校は義務教育ではないので、授業についていけなかったり出席できなくなってしまったら、最悪の場合「中退」という事態になってしまいます。

参考:大阪府通級学級一覧 https://www.pref.osaka.lg.jp/koto_kaikaku/koukou-tsukyu/index.html

進路を選ぶ時のポイント

進路の方針を選ぶときには、お子さんの状況からベストな方法を考えよう。

ポイント

  • なりたい仕事が決まっている。
  • 得意な科目、分野がある。
  • 人間関係や生活面でのトラブルが心配。
  • 勉強が苦手で高校の勉強についていけないかもしれない。

これらの心配がある場合はこの図にあるような進路を検討すると良いでしょう。

最終的な目標である就職、つまり経済的な自立が一番厳しい世界であることは間違いありません。高校の次の進路に大学や専門学校を選択して、なるべく先延ばしにして経験を積むことで、情緒面での成長を少しでも上乗せするという考え方もあります。

お子さんにとっても、自分の将来について考える良い機会ですので、高校の先の進路も含めて一度話し合ってみてください。

まとめ「たくさんの選択肢を知りベストな選択を」

最後までお読みいただきありがとうございました。支援学級の内申点への影響について、実際の経験をもとに説明しました。中学校で支援学級に通うことへの不安は和らぎましたでしょうか?中学卒業後の進路の選択肢を知り、お子さんの状況をしっかり見極め、親子で最適な答えを見つける手助けになれば幸いです。

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  • この記事を書いた人

めぐ先生|凸凹子育てアドバイザー

【子どもと生きる毎日を楽しく♪】発達凸凹の子育てを応援|障がい児支援施設に勤務する保育士|発達凸凹2児の母|わが子の発達に不安を感じ、保育士の勉強を始めて資格取得|利用者、学生、支援者、様々な立場で赤ちゃんから大人までの施設を見てきた経験を活かして障がい者福祉の今を発信!

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