うちの子の発達は大丈夫かな?他の子に比べて遅い気がする。もしかしたらグレーゾーンかも?
他の子どもたちと接する機会が増えてくると、おもちゃの貸し借りや順番待ちの場面などでトラブルが増え、不安になることがありますよね。
3歳の時期は成長の個人差も大きい時期のため、お母さんが「他の子と違う」と感じることも多い時期です。自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)等の発達障害の特徴が見え始める時期でもあります。
この記事では、3歳のお子さんの発達に不安を感じているお母さんに向けて、2つのポイントを解説していきます。
私の子どもはADHDのグレーゾーンです。これまでに、投薬を受けたり、児童発達支援に通ったりしてきた経験があります。定型発達の集団の中で、発達障害グレーゾーンの子どもが生きる大変さを親として側で見てきました。
また、保育士として療育の現場に勤務する発達障害児支援のプロでもあり、日々、発達障害の子どもたちとともに過ごし、子どもたちの健やかな成長を支え、保護者を支援することを仕事としています。
では、本編にまいりましょう。
発達障害・グレーゾーンの特徴
発達障害には、自閉症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)、主にこの3つのタイプがあります。
この3つの症状の特性を持っているものの、診断基準を満たしていない場合、または未受診の状態をグレーゾーンと呼びます。
グレーゾーンの子どもは、将来特性がハッキリ見えてくる可能性もあれば、その逆に、特性が他の部分の成長によって目立たなくなる可能性もあります。
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3歳ごろに見られる、発達障害の特徴を特性ごとに見て行きましょう。グレーゾーンの場合は、これらの特徴の全てが見られなかったり、強く表れなかったりします。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症の場合、3歳ごろになると以下のような特徴がはっきり表れてきます。
話さない、二語文が出ない
具体的な名詞が単語で出るが、抽象的な言葉が出ない。二語文が出ない。
偏食が強い
白いごはんしか食べない。ロールパンしか食べない。等、食べられる範囲が極端に狭いこともある。
音や触感に敏感
聴覚が過敏で、周囲の音や声が気になって仕方がなく、騒がしい場所ではパニックを起こすことがある。その他も、服のタグや縫い目が気になる。肌触りが嫌で着られない服がある。逆に、特定の触感で落ち着くことも。
ひとりで遊ぶ
3歳前後は徐々に集団で遊ぶようになる時期だが、他者への関心が薄いため、集団に入らず一人で遊んでいる。
こだわりが強い
予定外のことに戸惑いを感じやすく、同じ道順、同じ手順にこだわる。触られることを極端に嫌がる。
パニックや癇癪がある
状況を受け止めきれなくなった時に、激しく泣いたり、物を投げたりしてパニック状態になることがある。
じっとしていられない、しゃべり続ける
「椅子にじっと座れない」「一方的にしゃべりつづける」といった行動がある。
注意欠如・多動症(ADHD)
注意欠如・多動症(ADHD)の場合、子どもにはよくある行動でもあるため、3歳前後では診断が降りないことが多いです。
診断が降りなくても、薬の処方がされる場合や、発達支援を受けるために必要な書類を書いてもらえる場合もあるため、一度受診するとよいでしょう。
学習障害(LD)
読み書き計算に関する特性のため、小学校に上がってから発見されることが多く、学習障害(LD)ではないか?と感じる場面はもう少し大きくなってからになるでしょう。
トゥレット障害
運動性チック、音声チックの症状があります。自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症と併存する場合がありますが別の障害です。ストレスが起因しています。
- 体の一部を小刻みに動かす
- 音声チックは、運動性チックが声で表出する
発達障害・グレーゾーンの早期発見で療育を早くスタートする
発達障害やグレーゾーンの早期発見のメリットは、療育を早くスタートできることです。
なるべく早く療育をスタートすることは、お子さんの成長にとっても、お子さんの発達に悩んでいたお母さんにとってもプラスになります。
医療機関に相談する
発達障害の診断を受けるには、児童精神科、小児神経科、発達外来、LDセンター等の、小児科の中でも専門的な知識のある病院やクリニックに相談するのがよいでしょう。
3歳以下の場合は個人差の範囲かどうかの診断が難しい時期でもあり、診断が降りずにグレーゾーンとなる場合もあるかもしれません。
グレーゾーンであっても、医療機関につながることで、診断が降りていなくても医師が発達支援が必要と判断すれば、受給者証の取得のために必要な「意見書」を書いてもらえます。
相談機関に相談する
自治体の発達相談(自治体によって名称が異なる場合アリ)等の相談機関にも相談しましょう。
発達相談で受給者証の取得や、具体的な地域の発達支援施設についても相談してみましょう。必要であれば、発達検査も受けられます。
グレーゾーンでも、子どもの発達状況やお母さんの困り感から判断して、受給者証の支給が決定されます。
児童発達支援は、障害のある子どもに対し、身体的・精神的機能の適正
厚生労働省児童発達支援ガイドラインより引用-https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000171670.pdf
な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行
う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な
援助である。具体的には、障害のある子どものニーズに応じて、「発達支援
(本人支援及び移行支援)」、「家族支援」及び「地域支援」を総合的に提供していくものである。
医療機関とどちらを先に相談しても大丈夫ですよ!
発達支援サービスを受ける
受給者証の支給が決定したら、発達支援施設選びのスタートです。
施設によって提供するサービスの特色があります。お子さんに合った施設を選ぶためにも、見学・体験を必ずするようにしましょう。
施設選びのチェックリスト一例
- 集団療育か個別療育か
- 送迎はあるか
- 送迎がない場合、通いやすい所にあるか
- 力を入れているプログラムは何か
- 個別療育の場合、通いやすい時間帯か
- 空きがあるか(すぐに通えるか)
- 見学時の子どもの反応
人気の施設は順番待ちのところもありますので、いくつか候補に挙げて、お子さんの反応を見ながら利用しする施設を決めましょう。
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まとめ
3歳の子どもは少しずつ集団生活の場面が増えるため、保育園や幼稚園での集団生活を通じて、発達の違いがはっきりし始める時期でもあります。
この時期は個人差が大きいこともあって医療機関を受診しても、診断が降りないことも多く、お母さんは判断に悩むこともあるかもしれません。
早めに医療機関や相談機関につながることで、できるだけ早期に療育を開始して、お子さんの発達を支えて行きましょう。
私は、発達相談も教育相談もフルに活用していました。子育てはストレスが貯まることも多いですから、相談できる人がいるだけで、とても心強いのでオススメです。
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