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支援学級を勧められてショックを受けた体験談と支援学級の仕組みについて解説

  • 支援学級を勧められてショックを受けている
  • 支援学級を勧められたのでどんなところか知りたい
  • 支援学級を勧められたがどうしたらいいかわからない

こんな悩みを抱えている方のために、この記事は下記のような内容を解説しています。

ポイント

  • 支援学級を勧められてから入級するまでの体験談
  • 支援学級に入るかどうか決めるために
  • 支援学級の特徴や仕組みについて
管理人めぐ

私の子どもはADHDのグレーゾーンです。診断名はついていませんが、通院は続けて投薬を受けている時期もあります。発達障がいグレーゾーンの子どもが定型発達の子どもの集団の中で生きる大変さを、親として側で見てきました。

また、保育士として療育の現場に勤務する発達障がい児支援のプロでもあり、日々発達障がいの子どもたちとともに過ごし、子ども達の健やかな成長と保護者の支援を仕事としています。

支援学級を勧められたばかりでショックから抜け出せないかもしれませんが、この記事を最後まで読んで、前向きな気持ちを取り戻して貰えたら幸いです。

【筆者の体験談】支援学級を勧められてから入級を決めるまで

学級担任から言われたショッキングなひとこと

「幼すぎる」

2年生の7月、担任から支援学級入級を勧められました。

最初からはっきり言われたわけではなかったのですが、私が「そんなに悪いんですか?」と聞いた答えとして「幼すぎる」という言葉が返ってきました。

正直、大ショック。

大ショック

のびのびした保育方針の幼稚園に通わせていたこともあってか、幼稚園の頃から発達について指摘されたことがなかったため、この時まで発達を疑ったことはありませんでした。

小さい頃から元気で活発な子どもでした。しゃべり出す時期は早かったし、語彙が増えるスピードも速くて、頭の回転の速いかしこい子どもだと思っていました。

困り感はあった

当時の息子の状態

  • 言葉がきつく、お友達とのトラブルが増えている。
  • 得意科目と苦手科目の差が大きく、特にサッカーなどの複雑なスポーツや楽器演奏で年齢差を疑うほどの不器用さを見せる。
  • 集中が続かなくて、宿題を終わらせられない。2学年進んでいた公文式の宿題が終わらせられなくなり、進度が明らかに遅くなってきた。

小学校に上がってからは運動会や音楽会では不器用さが目立ち、立ち歩くほどではないもののそわそわしていることは気になっていました。

本当にそんなに悪い状態なの?

  • 通常学級の集団の中では成長できないのか?
  • 担任が大げさに言っているだけでは?
  • キャラクターが担任と合わないだけなんじゃ?

否定したい、認めたくない気持ちもありました。

支援学級入級を決心した担任の言葉

「来年度は私はきっと学年から外れる。3年生は新任が受け持つ可能性が高い。そうなると、クラスでトラブルが多い彼を、担任がフォローしきれず叱ってばかりになる可能性がある。そうなったときに、彼の自己肯定感を下げてしまわないかが心配。」

最終的には、担任のこの言葉に気持ちが動きました。

すぐに医療機関を予約して、教育相談も予約。医療機関は大きい病院は1年半待ち。早く受診できる小児神経科のクリニックを探して受診しましたが、それでも初診は予約がいっぱいで、診断をうけないまま入級を決めました。

「息子はそんなに悪くないはず」「普通学級でもいけるはず」

という思いもまだありましたが、最悪の事態を考えて入級することにしました。

小児神経科を受診

小児神経科を受診した結果、診断名はつきませんでした。

医学上、グレーゾーンという定義はありません。

診断名はつかないけれど、ある種の不器用さを脳に抱えている。ADHDに、ASDの特性も少し見られる。本来の力を発揮できずにのびるはずの成績が落ちないように、必要であれば投薬もしながら成長を見守ろう。

主治医からこういった説明を受けました。

支援級入級について主治医の先生には、「学校がていねいに見てくれるってことだからいいと思うよ」と助言をもらいました。もし、必要ないと言ってもらえたら入級を取り消すつもりでいたので、「やっぱりそうか」とちょっとガッカリもしましたが踏ん切りがつきました。

知能検査(WISK-Ⅳ)の結果

その後、教育相談でIQテストも受けました。

4つの領域の得点の差が大きいと発達障害の可能性が高くなるのですが、一番高いものと低いものの差が20ありました。

小児神経科の先生の話や知能検査の結果を合わせて考えると、支援学級入級を決めて良かったと思いました。

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支援学級を勧められて入級するかどうか決めるために

判断材料を集める

学校から支援学級を勧められたということは、学校側はお子さんに支援学級が必要だと考えているということです。

お母さんが同意できない場合や判断に迷う場合は、お子さんの発達状況を客観的に判断できる材料を集めましょう。

客観的な判断材料とは

  • 医療機関を受診して医師の意見を聞く。
  • 医療機関か教育相談で発達検査や知能検査を受ける。
  • 学級担任、小学校の支援学級の責任者と話し合う。
  • 教育相談等の学校以外の専門家に相談する。
  • お母さんのお子さんについての子育ての悩みを書き出して整理する。

発達の具体的な状況が分かれば支援が必要かどうかも見えてきます。

客観的なデータでお子さんのことを知ることができるので支援学級に入らなかった場合にも役に立ちます。学校と共有すれば先生も適切にお子さんに対応できます。

主治医の意見も有力な判断材料になりますが、発達障害の専門的な病院は予約がすぐに取れないところが多いですので早めに動くことをオススメします。

支援学級の先生と話してみよう

クラス担任から支援学級を勧められている場合、「教室内でお子さんがしんどい状況になっている」と担任が判断しているのは事実です。

担任は支援学級の先生とも相談した上でお母さんに勧めているはずです。聞きたい事やわからないことは、支援学級の先生にも聞いてみると良いでしょう。担任に、支援学級の先生とも話をしたいとお願いしてみましょう。支援学級でどういったサポートをするのか、お子さんについての専門的な見解を聞くこともできます。

支援学級には入らずに、普通学級で生活面の課題につまづかないか、もしトラブルがあっても乗り越えて成長していけるのか。

発達障害・グレーゾーンの場合は、診断が降りていない分、明確な方針が出ない状況とも言えます。

支援を利用するかはお母さん(保護者)が決断しなければなりません。発達障害グレーゾーンであるがゆえの辛さです。

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グレーゾーンの発達の特徴

発達障害グレーゾーンの子ども達は成長の仕方にムラがあります。

苦手なこともあれば得意なこともあって、個性が強い魅力的な子ども達です。同年齢の集団の中では幼く見えることも多いでしょう。

不器用な面があり、苦手なものは練習してもなかなか習得できません。

幼い部分と優れている部分を併せ持っていることが、生きづらさの原因にもなります。自己肯定感の低下には注意が必要です。

支援学級の仕組み

担任から支援学級を勧められたものの、自分が子どもの時代にはなかった仕組みのため、いまいちピンと来ていないというお母さんも多いのではないでしょうか。

ざっくり言うと、クラス担任と別にもう一人支援学級の担任がついて、クラス担任は学習指導要領に沿って指導、評価をしますが、支援担任は生活面の課題を支援するというシステムです。

全国各地で文部科学省の通達に沿って運営されてはいますが、都道府県や市町村によって運営方法に多少の違いがあります。ここでは、大阪府を例にとって解説していきます。お住まいの地域についての詳しい情報は、市町村の教育委員会の窓口に問い合わせて確実な情報を手にしてください。

3つの支援システム

発達障害の子どもが受けられる支援システムは主に次の3つ。特別支援学級、通級指導教室、特別支援学校があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

特別支援学級(地域の小学校内)

地域の小学校の中に支援学級の教室があります。通常級に在籍しながら特別支援学級にも在籍し、それぞれに担任がつきます。支援の必要度に合わせて、支援度が高い場合、支援担任が一人常に付き添う場合もありますが、グレーゾーンの子どもであれば支援の必要な度合いが小さくなるため、担任一人がずっと付き添う形にはならないでしょう。

  • 抽出 特定の授業を支援学級の教室で授業を受ける
  • 入り込み 通常学級での授業に先生が横について様子を見る

抽出は、保護者と相談して抽出する教科を決めます。その教科は年間を通じて特別支援学級で受けることになり、支援担任が通知表の評価をします。

新年度の4月は評価期間として抽出授業は行わず、4月の保護者面談で5月以降の支援方針を保護者と話し合って決定する。という学校もあります。(大阪府の公立中学校)

通級指導教室(特別支援教室)

特別支援学級との大きな違いは、その名の通り「通う」ことを前提にされていて一部の学校にだけ設置されていることです。

地域の小学校では通常級で過ごし、週に1時間、地域の通級設置校に通って必要な支援を受けます。(2年を目途)

小学生は、通級設置校までは保護者が送迎をする必要があります。

通っている学校に通級指導教室があって、授業を抜けて通級教室に移動して指導を受ける場合、特別支援学級のような対象授業の指導はありません。

もちろん、読み書きの練習等、ニーズに沿った学習を行う場合はあります。

特別支援学校

  • 特別支援学校はその地域の知的障害や身体障害がある児童が通う学校です。
  • 小等部から高等部まであり、通う年齢も幅が広いです。送迎バスもあります。
  • 知的な遅れや著しく社会生活への適応が困難な子どもが入学を許可されます。事前の就学相談が必須ですので、療育手帳や障がい者手帳の支給がまだで、入学を検討している方は、支援学校に問い合わせてみましょう。

支援学級の特徴

ポイント

  • 療育手帳や障がい者手帳は不要。
  • 支援級の担任がつく。
  • 個別支援計画が作られる。

療育手帳や障がい者手帳は不要

支援学級に入級するために、療育手帳や障がい者手帳は必要ありません。まだ幼い小学校の段階では、障害がハッキリしていない場合もあるため、必ずしも診断は必要ありません。一方、特別支援学校に入るためには療育手帳・障がい者手帳が必要です。

支援学級の担任がつく

支援級に入級すると、通常学級と支援学級の両方に在籍する形になり、学級担任と別に支援担任がつきます。支援担任は、複数の子どもを受け持っています。抽出授業では支援学級教室で受けます。机は一人ひとり離れた位置でブースになっていて集中できる環境になっていて、それぞれの支援内容に合わせた授業を受けます。

個別支援計画が作られる

支援学級や支援学校に入ると発達支援管理責任者によって個別支援計画が作成されます。個別支援計画は、子どもの成長をどのように支援していくかが明文化されたものです。保護者のニーズも考慮しながら立案されます。

いわば通知表のようなものですが、小学校の終業式にもらう通知表のように、全員一律のものではありません。子ども一人ひとりに合わせた課題を設定します。短期目標と長期目標を設定して半年間の支援の支援の計画を立てます。半年ごとに評価をし、次の半年間の目標を設定します。

その他のポイント

  • 地域の小学校内でも、通級でも、親と支援担任との学級担任との連携のために、連絡帳のやり取りがある。
  • 支援学級は、必要がなくなったと感じた時点で退級できる。年度途中でも、学期の変わり目等で対応してもらえます。
  • ここ数年は入級希望者が増えていて、大阪府では抽出授業がない子どもは期限を作って退級になります。
  • 退級を決めるにあたって、自治体によっては退級後の再入級は不可のところもある。
  • 特別支援学級と通級指導教室に入級するのに、診断書や療育手帳は不要。
  • 入学前であれば就学相談で相談したり教育相談に相談する必要があります。
  • 年度替わりや学期の変わり目に入級する場合は、学校への書類の提出が必要。

事例紹介

ソーシャルスキルが課題のAくん(小5)

週一回の道徳の授業を抽出し、特別支援学級でソーシャルスキルトレーニングを受ける。週一度のコマの場合、行事や祝日が重なると月に2度になる場合もあり、効果が見られなかったため算数の授業を抽出するように変更する。

ずっと通常学級で過ごしていると集中力が途切れてしまい、落ち着きが無くなって言動が荒くなっていたが、毎日、通常学級から離れて静かな環境で授業を受けて戻ってくることで、一日を通して落ち着いて過ごせるようになってきた。

まとめ 後悔のない決断を

まとめスライド

お子さんのクラスの中での様子はどうですか?

特に心配がないのであればよいのですが、担任の先生から悪い内容の電話ばかりかかってくるような状態であれば、支援学級に入って支援担任がついた方が、学校でお子さんを理解してくれる先生がいて安心だと思います。

とりあえず入級して様子を見るのもありです。

もちろん、担任の先生が大げさなだけの可能性もあります。

どちらの場合も、お子さんの生活面での学校での様子や自己肯定感を第一に考えて、後悔のない決断をしてください。心から応援しています。

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  • この記事を書いた人

めぐ先生|凸凹子育てアドバイザー

【子どもと生きる毎日を楽しく♪】発達凸凹の子育てを応援|障がい児支援施設に勤務する保育士|発達凸凹2児の母|わが子の発達に不安を感じ、保育士の勉強を始めて資格取得|利用者、学生、支援者、様々な立場で赤ちゃんから大人までの施設を見てきた経験を活かして障がい者福祉の今を発信!

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