最近、うちの子がちょっとしたことで友達とけんかしてしまって…。先生からも注意されることが増えて心配です。
お母さん、悩みますよね。こういった行動はいずれ「素行症」につながる可能性があります。でも、正しい知識と対応で、きっと改善できますよ!一緒に学んでいきましょう。
素行症とは?
素行症は、ルールを守ることが難しかったり、人に迷惑をかける行動が続いたりする状態のことです。こんな特徴が見られる場合があります:
これらが一時的ではなく、何カ月も続く場合は、素行症の可能性が考えられます。
どうして素行症になるの?
素行症の原因にはいくつかの要因があります。特に、発達障害やグレーゾーンのお子さんでは、こうした行動が現れることがあります。
素行症になる要因
- 感情のコントロールが苦手
ADHDやASDを持つお子さんの場合、感情をコントロールするのが難しいことがあります。 - 環境の影響
学校での孤立や家庭でのストレスが影響することも。 - コミュニケーションが苦手でトラブルになりやすい
言葉で自分の気持ちをうまく伝えられない、相手の意図を読み取るのが苦手な場合、周囲とのトラブルが増えてしまいます。 - 自分を表現する方法が分からない
「どうしたらいいか分からない!」という気持ちが行動で現れてしまう場合もあります。
発達障害やグレーゾーンの子どもは、感情のコントロールやコミュニケーション方法の獲得は、トラブルにならないスキルとして身につけるのが近道です。
あわせて読みたい
別の記事でソーシャルスキルトレーニングについて取り上げていますので、参考にしてください。
-
子どもと自宅で取り組める!小学生の間に身につけたいソーシャルスキル5選
学校でお友だちとトラブルが多い、自分の意見が言えずにいる、そんな子どもたちには、技術として人との関わり方を学ぶ「ソーシャルスキルトレーニング」が有効です。小学生の間に身につけたいソーシャルスキル5つと自宅で取り組める練習方法を解説。
ADHDと素行症の関係
実は、ADHDの子どもの4人に1人が素行症を併発する可能性があると言われています。例えば、
- 衝動的に行動してしまう
- イライラすると感情が爆発してしまう
これらの特性が、素行症の行動につながることがあります。
早めにサポートを始めることで、お子さんの状態を改善していきましょう。
-
ADHD への認知科学的接近-岡崎慎治 筑波大学
www.jstage.jst.go.jp
お母さんができること
お母さんが日常生活の中で取り組めることを、いくつかご紹介します。
良い行動を見逃さない
子どもの良い行動を見つけて、積極的にほめましょう。
- 「おもちゃを片付けたね!助かったよ。」
- 「今日はお友だちと仲良くできたね。」
小さな成功体験が、子どもの自信につながります。
ルールを一緒に決める
家のルールを親子で話し合って決めましょう。
- 守りやすい簡単なルールを設定する(例:「おもちゃは遊び終わったら片付ける」)
- ルールを守れたときには「ありがとう」と伝える。
感情を整理する手伝いをする
子どもが怒ったり悲しんだりしたときに、感情を言葉にする手助けをします。
- 「今、どんな気持ち?」
- 「どうしてそんな風に感じたのかな?」
子どもが自分の感情に気づくことで、落ち着くきっかけになります。
あわせて読みたい
子どもの問題行動の対応のコツを記事にしています。参考にしてください。
-
発達障害・グレーゾーンの子どもの問題行動の原因と対策
物を投げたり走り回る。お友だちやお母さんをすぐに叩く。お子さんの問題行動に困っているお母さんに役立つ、問題行動の原因と対処方法をまとめました。問題行動には原因別に正しいアプローチ方法があります。正しい対処方法を知って、お子さんの問題行動を減らして行きましょう。
専門家や地域のサポートを活用しよう
お子さんの素行症を一人で抱え込む必要はありません。地域の支援や専門家に頼ることで、より良いサポートが得られます。
学校と連携する
担任の先生やスクールカウンセラーに相談し、学校での様子を共有してもらいましょう。
特性に合った支援を受けられるように、支援学級や支援学校も視野に相談しましょう。
医師や専門家に相談する
まずは発達障害の専門医に相談しましょう。必要に応じて発達検査や投薬、カウンセリング等、医療面での支援を受けられます。
支援センターや療育プログラムを利用する
まずは地域の発達障害支援センターに相談し、受給者証の発行が受けられるか確認しましょう。
現在のお母さんの困り感を伝えることで、適切な支援につなげてくれます。
あわせて読みたい
-
グレーゾーンの子どもが受給者証をもらって療育プログラムを受けるには
グレーゾーンの子どもも支援を受けられます。障がいの程度がまだはっきりしていない子どものうちに、グレーゾーンだからと何もしないでいるのはもったいない。グレーゾーンでも受けられる支援や受給者証の申請方法についての記事はこちら
-
発達障害グレーゾーンのしんどい子育てが楽になるほめ方と叱り方のポイント5つ
この記事は、発達障害グレーゾーンの子育てをしているお母さんのこんなお悩みについて、以下のようなポイントで解説しています。 ポイント 発達障害グレーゾーンの子育てがしんどいのはなぜ? しんどい子育てをが ...
-
支援学級を勧められてショックを受けた体験談と支援学級の仕組みについて解説
支援学級を勧められて、入級を決心。医療機関、教育相談にも行ってWISK-4の結果を受け取るまでの体験談。支援学級の仕組みの解説あり。
-
通級や支援学級はどんな子が通う?入ってみてわかったことまとめ
体験談, 支援学級, 発達障害, 発達障害グレーゾーン
学校から支援学級を勧められたけど、どんなところか情報がなくて不安 どんな子が通っているの?うちの子は対象?支援学級に通えるの? こんな悩みを感じたまま、支援学級を考えているお母さんは多いのではないでし ...
お母さんも自分を大切に
子育てはとても大変な仕事です。特に、発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てる中で、親自身が疲れてしまうこともあります。
自分を責めない
「私のせいでこうなった」と思わないでください。
お母さんが日々頑張っていることが、子どもにとって大きな支えになっています。
休む時間を確保する
親自身の心の余裕が、冷静な対応につながります。家族や友人に助けを求めて、ひととき休んでください。
まとめ
素行症は、子どもの行動に対する早期の気づきと、親子で取り組む工夫によって大きく改善できる可能性があります。
- 良い行動を見つけてほめる
- ルールを一緒に決めて守る
- 感情の整理を手伝う
発達障害やグレーゾーンの子どもは、自分より年上の集団に一人でがんばっているような状態です。
子どもを素行症にしないためには、周囲の大人がしっかり支え、確実に成長を引き出すことが重要です。
必要に応じて専門家や地域のサポートを活用しながら、お子さんの成長を支えていきましょう。
お母さん一人で抱え込まないで。一歩ずつ進むことで、子どもと一緒に成長していきましょう!