- 学校から支援学級を勧められたけど、どんなところか情報がなくて不安
- どんな子が通っているの?うちの子は対象?支援学級に通えるの?
こんな悩みを感じたまま、支援学級を考えているお母さんは多いのではないでしょうか?
この記事のポイント
- 支援学級に実際に通わせた生の情報が得られる
- 知らないことだらけの支援学級のことを知って不安を解消しよう
この記事では、支援学級についてや不安を感じているお母さんのために、実際に私の子どもが支援学級に入ってわかったことをご紹介していきます。
我が家では、上の子が小学校から中学校まで支援学級に通い、下の子は来年度から通級指導教室に通わせる手続きを進めているところです。
この経験が皆さんのお役に立てば幸いです。
今回は、特別支援学級についての情報にたどり着けずにお困りのお母さんにとって、支援学級のクチコミは貴重ではないかと思い記事にまとめました。
ぜひ最後まで読んで、支援学級についての知識を増やして、不安解消や進路相談の参考にしてください。
特別支援学級とは
特別支援学級について文部科学省のHPを見ると、このように書かれています。
小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するために設置される学級。
※太字・アンダーラインは筆者による
【対象障害種】
知的障害者、肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱者、弱視者、難聴者、言語障害者、自閉症者・情緒障害者
2.特別支援教育の現状 文部科学省
特別支援学級とは、障害のために学習や生活に困難がある子どもに特別支援教育を行うところです。
特別支援教育を受けるには、地域の学校内に設置される特別支援学級、または通級指導教育に在籍するか、より専門的な支援を受けられる特別支援学校に通う必要があります。
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特別支援学級にはいってわかったこと
ここまで、特別支援学級についての仕組みを簡単に説明してきました。
ここからは、特別支援学級に子どもが通ってみてわかったことを紹介していきます。
入級できる時期が思ったよりも先になる
下の子が3年生になってから友だちとのトラブルが続いていました。
スクールカウンセラーの先生から、「一度医療機関にかかって発達検査を受けた方がいい」とアドバイスを受けたため、学校には結果次第で通級指導教室に通わせたいと相談をしました。
下の子は1歳半健診で言葉の遅れを指摘されて発達クラスに通ったことがあり、上の子よりも早い時期から発達に心配なところがありました。その後、言葉の遅れは取り戻したように見えたため、地域の幼稚園から小学校へと進んでいました。
グレーゾーンの場合、なんとか集団でやっているため医療機関につながらないまま小学校まで上がってきているケースが多いです。
お友だちとのトラブルや学習障害の心配から支援学級をすすめられたとき、「発達検査を受けてから決めたい」と考えるお母さんも多いでしょう。
ですが、発達外来の受診は初診までに時間がかかるところが多いため、発達検査を受けて結果が出るのを待っていては、支援学級の申し込み期限に間に合いません。
期限が過ぎれば次年度の後半からになり、1年以上先に支援開始となってしまいます。
上の子の時も、担任の先生から支援学級を勧められて特性に気づいたため同じような流れになり、医療機関の受診は入級申し込み後でした。
市町村によって、支援学級の申し込み時期が違って年に1回のところや2回のところがあります。
私の住んでいる市では年に2回、申し込むチャンスがあります。どのような場合でも、学校から支援学級を勧められて入級を検討し始める場合は同じ流れになるでしょう。
手帳、診断書は必要ない
子どもの客観的な状態を知るために、医療機関で検査を受けたり医学的な意見をもらうと同時に、日常生活での困りごと減らすためにも、支援級入級の手続きも進めました。
支援学級に入級するために、医師の診断書や障害手帳は必要ありませんでした。
支援学級や通級指導教室への入室は、対象児童に特別な支援は必要かどうかを学校が個別に検討し決定ます。
保護者のニーズ、子ども本人の困り感などから個別の支援が必要かどうか判断されるため、診断の有無は関係ないです。
下の子の時は、私から支援学級入級を相談しました。同時に発達外来にも予約を入れましたが、かなり先の予約でした。
入級を検討する会議で、発達に起因する問題なのかを検討するけれど、診断が降りていないとダメではいと説明を受けました。
外部と連携した支援が受けられる
支援学級に在籍していて、2ヶ所の放課後等デイサービスをかけ持ちしている。
というように、施設をいくつも利用している場合、その子に関わる施設の担当者が集まって情報交換の場が定期的に設けられます。
支援学級と通常学級の担任の先生が、発達検査の結果を聞きに出張してくれたことがあります。そこで共有された情報を元に、授業中の指示の仕方を工夫してくれました。
特性を具体的に把握して、合理的配慮をしてもらえるのはありがたいです。
また、保育所等訪問支援と言って、放課後等デイサービスなどの療育施設には、集団生活の場での困りごとがある場合に保育園や幼稚園、学校等に療育施設の職員が出向いて、本人への直接支援だけでなく、園や学校への専門的な支援を行うサービスもあります。
子どもに必要な教育をオーダーメイド
通常の教室で受ける集団教育とは違う、支援学級では個別支援とはどんなものなのでしょうか?
息子は小学校に上がってから徐々に幼さが目立つようになり、お友だちとのトラブルが多く入級しました。
入級当初は、週1回道徳の授業を支援学級で受ける形でした。その後、算数の授業に変えて週に5時間、毎日1時間を支援学級で過ごすようになりました。
支援学級の教室では、5人くらいのお友だちと一緒ですが、通常学級のような一斉授業の形ではなく、それぞれがブースに仕切られた机で勉強します。
勉強の進み具合も様々ですが、最後に余った時間があればゲームをしたり、ディスカッションをしたります。
授業の最初に、余った時間に何がしたいかみんなで話し合って、それを目標にそれぞれのブースで自分の勉強を頑張って終わらせた。
というエピソードを聞いたこともあります。
舞い上がりがちな息子は、少人数の静かな環境で過ごすことで落ち着きを取り戻せるようでした。
学級担任の先生からは、「支援学級から帰ってくると、息子の表情も変わって授業への集中が上がっている」と言ってもらってました。
支援学級で、いい時間を過ごせていたようです。
嫌な思いをすることも
中学校に上がってから、別の小学校出身の子から「支援学級のくせに」とからかわれてしまいました。
この子とのトラブルがきっかけで、別教室で授業を受けるのは目立つから嫌だと言うようになりました。
小学校を卒業して中学に入学するタイミングで退級考えていましたが、環境が大きく変わることを心配して継続することにしました。
その判断が裏目に出てしまいました。
最終的に、2年生の前期で本人の意思を尊重して退級しました。
中学校では、生徒同士のトラブルも多いため、ソーシャルスキルの支援は、学校側もあまり熱心ではない印象でした。
文部科学省からの通達で、特別支援教育の方針が変わってきました。別教室での指導が必要ではない子どもは通級指導教室での支援がメインになってきているようです。上の子も、今なら通級指導教室だったかもしれません。
やめるタイミングが難しい
私が住んでいる自治体は、支援級を一度退級すると戻れない制度だったため、退級する判断が慎重になってしまいました。
はじめは、小学校卒業と同時に支援学級を卒業と考えていましたが、支援学級の先生と相談した結果、継続することにしました。
中学校入学という大きな環境の変化に備えたいという思いからでした。
中学校からは教科ごとに担任が変わり、プリントや提出物の管理も量が増えます。小学校の頃のように、当たり前のようにフォローしてくれません。
他の小学校から入学してくる息子のことを知らない子ども達とトラブルになりそうなことも心配でした。
心配していた通り、息子は教室でも部活でもと他校からの子どもと衝突が多く、クラス担任や部活の顧問から度々電話がかかってくるほど。
電話でもお手紙でも、個別支援計画に沿った情緒面での支援を何度もお願いしたのですが、今振り返ってみると、中学校は情緒面での支援は熱心でないという印象です。
そもそも、思春期の子どもの集団ですし、多少のトラブルは当たり前で、グレーゾーンの子どもの場合、「クラスでトラブルが多い子」という扱いになるのかもしれません。
結果論ですが、うちの子の場合は通級指導教室に通った方が、別の学校に通うので目立たなくて済んで良かったなと思っています。
まとめ
特別支援学級は、お母さん自身が小学生の頃にはなかった仕組みなのでピンと来ないというお母さんが多いのではないでしょうか?
特別支援学級にはどんな子が通ってどんなことをしているのか、なかなか知る機会がありません。
この記事では、特別支援学級の情報が少なくて不安に思っているお母さんのために、特別支援学級に子どもが通わせてみて分かったことを紹介してきました。
子どもの成長に不安なところがあるなら、できる手は打ちたいというのが親心です。
申し込みに診断が必要だったり、申し込みの手順が違ったりして、細かいところは自治体によって様々ですが、
学級担任と別に支援担任がつき、子どもを支援する
という点は、どこの支援学級でも同じですので、この記事を読んでお子さんの困りごとに支援学級が合いそうだと感じた方は、支援学級について学校の先生にぜひ一度相談をしてみてください。
子どもの発達に不安を感じたり、学校から支援学級をすすめられたりした時に、この体験談がお役に立てば幸いです。