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今話題の境界知能とは?子どもの特徴とグレーゾーンとの違いをくわしく解説

みなさんは、「境界知能」という言葉を知っていますか?

書籍やマンガで話題になっている「境界知能」ですが、発達障害、知的障害、グレーゾーンとの違いがよくわからない方が多いのではないでしょうか。

知的障害ではないけれど、生きづらさを抱えている境界知能の子どもたち。

「境界知能」についてまだ一般的に知られていないために、発達障害グレーゾーンと混同されることも少なくありません。

  • 境界知能ってなに?
  • 発達障害グレーゾーンとの違いは?
  • 境界知能の特徴

この記事では、境界知能の特徴や発達障害グレーゾーンとの違いについて3つのポイントで解説していきます。

この記事を読むことで、発達障害グレーゾーンとの違いや、境界知能の子どもにもサポートが必要なことを知って頂けたらと思います。

境界知能とは

境界知能とは、知的障害の診断基準を満たしていない、同年齢の子ども達よりもIQが低い子ども達のことです。境界知能は医学用語ではありません。大人にも使われることもあります。

境界知能は統計学的に7人に1人の割合で存在します。

統計学上は14%が境界知能と言われていて、35人学級だと約5人の割合で境界知能の子どもが在籍していることになります。

統計学上は7人に1人 境界知能の生きづらさとは何か - 毎日新聞HPより

境界知能の子ども達は、学習面やコミュニケーション面、日常生活でも困りごとが多いので適切な支援が必要ですが、知的障害の診断がつかないために必要な支援を受けられません。

知能指数とは

知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査の結果を表す数値。知能のおおまかな判断基準とされると同時に、知的障害(知的能力障害)などの診断や支援に利用される。

知能指数 / IQ e-ヘルスネット 厚生労働省

知能指数(以下IQ)は、同年齢の人たちの中でどのくらいの知能があるかを示す数値のことです。統計学上、同年齢の集団の平均値が100で、約7割の人が±15の間に収まるようになっています。

知能指数を測定する知能検査では、

  • 知識量
  • 読み書き・計算の力
  • 記憶力
  • 問題解決能力
  • 見たり聞いたりする力

 などの能力を測定し数値を算出し、知的障害などの診断や支援に利用されます。

発達障害グレーゾーンとの違い

困り感や問題行動が発達障害と似ていることから混同されることが多い境界知能は、いわば境界知能は知的障害のグレーゾーンであり、発達障害・発達障害グレーゾーンは別のものです。

発達障害グレーゾーンとは、ASDやADHD、LDなどの発達障害の特性が見られるものの、発達障害の診断がつかない状態、または未受診の場合を指します。知的障害を伴う場合もあります。

発達障害グレーゾーンについて解説した記事がありますので、よろしければ参考にしてください。

発達障害や発達障害グレーゾーンに知能指数(IQ)は関係ないという点が、境界知能との大きな違いです。

境界知能の子どもが、発達障害や発達障害グレーゾーンである場合もあります。

知的障害との違い

知的障害と境界知能の大きな違いは知能指数(IQ)の数値です。 

知的障害の度合いが最も軽い軽度知的障害の知能指数(IQ)は概ね50~75です。境界知能は、知的障害と標準的な知能指数(概ね85~115)との間を指します。

知的障害と診断されると療育手帳を発行されるため、様々な障害福祉サービスなどを受けることができますが、境界知能は知的障害の診断がつかないために、受けられる支援の選択肢が狭まってしまいす。

境界知能の特徴

境界知能の子どもたちは、標準的な知能の集団の中では学習やコミュニケーション面で困難があります。

自己肯定感が下がってしまわないように、適切な支援で、子ども達の困難をできる限り少なくする必要があります。

ここからは、境界知能の子どもの特徴について解説していきます。

学習の困難

境界知能の子どもは認知機能が弱い特徴があります。

認知機能が弱いと、見たり聞いたりした情報を記憶・整理して、理解したり行動したりすることが苦手です。標準知能の集団と同じペースで学習するのは難しいでしょう。

たとえば、板書が苦手な子どもの場合、黒板に書かれたものを見てからノートに書くまでの間に、一度に記憶しておける量が少ないため、少しずつ書き写すことになり時間がかかってしまいます。

聞くことが得意ではない場合、全体に向けての指示が自分ごととして捉えにくく、集団での行動にいつも遅れてついていくことになります。

発達障害グレーゾーンの場合

発達障害グレーゾーンの場合も同じような事が起こる場合がありますが、得意な分野がある子どもの場合は、高い能力を持つ部分で苦手な部分を補える場合があります。

例えば、読み書きが得意だけれど、板書が苦手な発達障害グレーゾーンの子どもであれば、少しずつ書き写しながらも読み書きの速さで全体のスピードにはついていけるということがあります。

十分な支援が受けられない

境界知能の子どもは療育手帳をもらえないため、定型発達の子どもたちと同じ集団で過ごしていくことになります。

将来、就労支援などの障害者支援の福祉サービスも受けられません。 

しかし、子ども(18歳まで)の間であれば、療育手帳がなくても申請できる通所受給者証が発行される可能性があります。

発達障害の診断が降りていない発達障害グレーゾーンの子どもも利用できる通所受給者証についての記事です。よろしければこちらもお読みください。

同年齢の集団に混ざるしんどさ

境界知能の子どもたちは、同年齢の集団で学習以外にも困難を抱えています。

境界知能の知能指数(IQ)は同じ年齢の子ども達と比べると8割程なので、少し年上の集団の中で過ごしているのと同じような状態と言えます。

そんな状態が続けば、周りにバカにされているように感じたり、自分の思い通りにいかなかったりし続けることになり、問題行動へと発展するあります。

がんばってもうまくいかないことでやる気も自信を失い、ストレスを抱えた状態が続き、うつ病などの二次障害につながったりすることがあります。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事では、境界知能の特徴と発達障害グレーゾーンとの違いについて解説しました。

発達障害グレーゾーン、境界知能、どちらの子ども達も、十分な支援が受けられないまま、定型発達の集団の中で生きて行く辛さを抱えています。

境界知能のお子さんにも受けられる支援はあります。

お子さんが境界知能かどうか気になる方は、医療機関や相談機関に相談して、お子さんの状態を知るところから始めてみてください。

  • この記事を書いた人

めぐ先生|凸凹子育てアドバイザー

【子どもと生きる毎日を楽しく♪】発達凸凹の子育てを応援|障がい児支援施設に勤務する保育士|発達凸凹2児の母|わが子の発達に不安を感じ、保育士の勉強を始めて資格取得|利用者、学生、支援者、様々な立場で赤ちゃんから大人までの施設を見てきた経験を活かして障がい者福祉の今を発信!

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