- 物を投げたり走り回ったりして大変
- 何回も注意しているのに全然やめてくれない
- お友だちやお母さんをすぐに叩くのをやめさせたい
お子さんの問題行動、対処方法がわからないと一筋縄ではいかなくて困ってしまいますよね。
この記事では、お子さんの問題行動にお悩みのお母さんのために、2つのポイントで解説していきます。
- 発達障害の子どもの問題行動とその原因
- 子どもの問題行動への対処法
問題行動の対応には原因によって違った対処方法があります。
お子さんの困った行動が直らない、しつけがうまく行ってないと感じているお母さんのお役に立てばと思います。
ぜひ最後まで読んで、お子さんの問題の原因と、行動に合わせた適切な対応を知り、実践してみてくださいね。
問題行動とは?
問題行動にはいくつかの種類があり、種類によって原因と対策に違いがあります。
まずは、発達障害の子どもによく見られる問題行動とその原因を説明していきます。
発達障害の子どもの問題行動
発達障害の子どもに多い問題行動には、主に次のようなものがあります。
- 大人の言うことを聞かない、無視する
- ものを投げる、壊す
- 嘘をつく
- 走ってはいけないところで走り回る
- 静かにする場所で大きな声を出す
これらの問題行動は、定型発達の子どもの成長過程でも見られます。
ただし、発達障害の子どもは、特性が原因の場合があるので注意が必要です。
なぜ問題行動をするのか
発達障害の子どもの問題行動の原因と特徴は、主に次の3つがあります。
試し行動 | 愛情を確認したくてわざとやっている |
特性からの行動 | 良くないとわかっていても抑えられない |
誤学習が原因 | 正しい行動だと思い込んでいる |
これらの3つの行動について、1つずつ説明していきます。
試し行動
試し行動とは、いけないと分かっているのにわざと問題行動をして、親や先生など周囲の大人の愛情を確認する行為です。
- おもちゃや物を投げる、壊す。
- 人をたたいたり髪を引っ張ったりする。
- 無視する。
- 食事の時に、食べ物や飲み物をわざとこぼす。
- 病院で大声を出して走り回る等、場所にそぐわない行動をする。
試し行動は発達障害の子どもに限ったものではなく、定型発達の子どもにも見られます。
弟や妹が生まれたときや、イヤイヤ期など幼児期にはよく見られる行動です。
子どもは「自分は愛されている」という安心感を土台に、感情を豊かにし、人間関係を広げて行きます。
お子さんに試し行動がみられる場合、大人の愛情や関心を確認して安心感を得ようとしている、不安な心理状態だと言えます。
特性からの行動
発達障害やグレーゾーンの子どもの場合、特性が原因で問題行動をしてしまう場合があります。
特性が原因の問題行動には次のようなものがあります。
- 静かにする必要がある場所で大声を出して走り回る
- 呼びかけても無視する
- 周りと違う行動をする
試し行動では、大人の気を引くためにわざと大声を出したり無視をしたりしますが、発達障害の特性が原因の場合はわざとではありません。
ADHDの子どもで多動性や衝動性の特性がある子どもは、感情や行動のコントロールが苦手なため、静かにする必要がある場所で突発的に行動してしまったり、注意力の調整が苦手なために、自分のしていることに集中しすぎて声かけを無視してしまったりすることがあります。
ASDの子どもの場合、かんしゃくがある子どもであれば物を投げたりドアや壁を蹴るといった暴力的な行動が出ることや、行動の切り替えが苦手な特性のために、声をかけられてもそちらに気持ちを切り替えられないと言ったこともあります。
誤学習が原因の行動
誤学習とは、自分にとって良い結果に繋がった経験から、良くない行動を「正しい行動」と思い込んでしまったものです。
誤学習の一例
- 友だちを叩いたらおもちゃを貸してくれたので、おもちゃを貸してほしいときにはすぐに友だちを叩く。
- 危ないことをしたら親がすぐに来てくれたので、かまって欲しいときに危ないことをするようになった。
- 移動中の車内で車が嫌だと騒いだのでコンビニに止めておやつを買ってから、車に乗ると必ず騒ぐようになった。
特に、ASDの子どもはこだわりが強い特性から、誤学習の学び直しに時間がかかる場合があります。ASDの子どもは「急いでたらOK」とか「ギリギリだったらOK」と言ったイレギュラーな対応は難しいため、一貫性を貫き、子どもが誤学習しないように注意しましょう。
子どもの問題行動への対応方法
子どもの問題行動は、周囲の大人の適切な対応で減らせます。
子どもの問題行動をよく観察して原因に合わせて対応しましょう。例えば、試し行動なら背景にある「愛情の確認」に、誤学習なら「思い込み」にアプローチしていく必要があります。
子どもの問題行動に対応するときの注意点と、具体的な方法について説明していきます。
子どもの問題行動に対応するポイント
子どもの問題行動を叱るときにはポイントがあります。
「そんなことする子は嫌い」「そんな悪い子は知らない」など子ども自身を否定する言葉は使ってはいけません。
どんな場合でも人格を否定するような言葉はNGです。
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発達障害やグレーゾーンの子育てが楽になるほめ方・叱り方を解説した記事も良かったら参考にしてください。
問題行動の原因が試し行動である場合
子どもの問題行動の原因が試し行動の場合は、原因が大人の愛情を確認したいという子どもの気持ちを満たしてあげれば、問題行動が収まる可能性が高いです。
子どもの試し行動をなくすためにおすすめしたいのは、お子さんとお母さん二人だけの時間を作る方法です。毎日、5分でもかまいません。
「今日は何か嫌なことあった?」「大変だったね、お疲れ様」「大好きだよ」
二人きりでお子さんにこんな声かけをしてください。
年齢によっては膝にのせたり抱っこをしてスキンシップも取り入れましょう。
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他にもお子さんの自己肯定感を高めるために参考になる記事があります。よろしければ参考にどうぞ。
問題行動そのものにはこの後の「誤学習の学びなおし」を参考に一貫した対応を取ってください。
誤学習の学びなおし
子どもの問題行動の原因が誤学習の場合は、正しい行動に学びなおしが必要です。
誤学習の学びなおしには3つのステップがあります。
- 行動を「理由→行動→結果」に分解して考える
- 悪い行動に注目しすぎない
- 理由を確認して共感する
- 理由=子どもの望み
- 理由を否定しない
- 正しい行動を伝えて、悪い行動には望む結果を与えないようにする
- 正しい行動で自分の望みが叶う体験を積む
簡単に流れを説明するとこのようになります。
1. 子どもの問題行動を「理由→行動→結果」に分解して考える
子どもの問題行動を理由・行動・結果に分解して考えることで、問題行動をする理由と子どもが望む結果が見つかります。
例をあげて説明します。
例:構ってほしいときに物を投げるという問題行動がある場合
- 理由:お母さんと遊びたい
- 行動:物を投げて
- 結果:遊んでもらえた
お母さんと遊びたくてお母さんを叩いた後に笑ったり追いかけたりしてもらえた経験から、「物を投げれば遊んでもらえる」と思い込んでしまったケースです。
「物を投げる」という行動が「遊んでもらえる」という結果につながって、誤学習が起きことがわかります。
3つに分解して考えると、どこを学びなおしたらいいかがわかりやすいですね。
2. 子どもの問題行動の理由を確認して共感する
子どもの問題行動の理由と行動は別々の対応を取ります。
問題行動はよくないことですが、問題行動をした理由を否定しないように気をつけましょう。
お母さんが「遊んでほしかったのかな」と感じたら、それを子どもに確認して「遊んでほしかったんだね」と共感をしましょう。
子どもが気持ちをわかってもらえたと感じることが大切です。
3. 正しい行動を伝える
最後に、子どもの望む結果につながる正しい行動を伝えましょう。
今回の例であれば、「遊んでほしいときは、名前を呼びながらやさしくトントンするんだよ」と伝えます。
物を投げる以外にも子どもが問題行動をした場合は、遊ばないようにしましょう。
子どもの混乱を防ぐためにも一貫性を保つようにする必要があります。
正しい行動が良い結果につながるという成功体験を増やしていきましょう。
子どもの特性にあわせた対策を
発達障害の特性が原因である場合、特性に注目してなぜ起こったかを考え、対策をしていきましょう。
例えば、静かにする必要がある場所で大声を出して走り回るという場合、
- これからどういう場所に行くか、どれくらいの時間静かにする必要があるのか、子ども本人に事前に説明する。
- がんばって静かにできていた時のごほうびを約束しておく。
- 時間を短く区切って席を外す。
- 時間をつぶせるおもちゃや感覚グッズを持参する。
こういった対策が考えられます。一つ一つ試して、お子さんの特性にあった方法を見つけてください。
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子どもの特性への対応方法については、こちらも参考にしてください。
まとめ
この記事では、子どもの問題行動の原因と対応方法について解説してきました。
子どもの問題行動を分析して原因に合った対応をすると、お子さんの問題行動は減らすことができます。
お子さんの問題行動の原因は何だったでしょうか?この記事で解説した原因別の正しい対応方法を取ることで、お子さんの問題行動を減らしていくはずです。
スモールステップで、お子さんをたくさんほめながら正しい行動に導いていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。