「自己肯定感」って聞いたことがありますか?
「自己肯定感が大切」とよく言われますけど、よくわかってません
「自己肯定感」という言葉は、子育て中のお母さんにとってはよく耳にする言葉ではないでしょうか?
「自己肯定感を高めよう」とか、「自己肯定感を損なわない」とよく言われるものの、しつけもしない訳にはいかないし...と悩んでいるお母さんも多いと思います。
こちらの記事では、
- 自己肯定感とは何か
- 発達障害と自己肯定感の関係
- 子どもの自己肯定感を高めるためにできること
これらについて解説していきます。
幼少期に自己肯定感を育むことで将来なにか壁にぶつかってもめげずに取り組めるようになります。また、自分だけでなく周りのことも大切に思うことができるようになって、人間関係にも良い影響を与えます。
お子さんが前向きな人生を歩めるよう、自己肯定感の育て方を知り実践していきましょう。
自己肯定感って何?
自己肯定感とは、ありのままの自分を信じ自分を肯定する感覚のことです。
自己肯定感が高い人は、自分は大切な存在であると感じていて、自分の力を信じることができます。自分に自信がある人は物事をポジティブに捉え、失敗を恐れず挑戦することができるのです。
自己肯定感が高いと幸せを感じやすくなるので、自己肯定感を高めることは人生に良い影響があります。
発達障害の子どもは自己肯定感が下がりやすい
発達障害を持つ子どもは、その特性から叱られることが多く、肯定的な声掛けをされることが少ない傾向があります。
叱られることで「自分はできない」という否定的な感情で支配され、自己評価が低下してしまうと、問題行動になって表れる場合もあります。
ある研究によると、自己肯定感を育むことで課題解決や言動の変化など、発達障害を持つ子どもに良い影響があることが分かっています。
「自己肯定感を育む指導による心の変化について ― 発達障害児への「褒めて育てる」実践より ― 平真和 2019年」
子ども時代に自己肯定感を高める大切さ
幼少期は周囲からさまざまな刺激を受け、性格や個性の基礎が形成される大切な時期です。
子ども時代に「自分は愛される存在なんだ」と実感することで、自己肯定感が身につくのです。
大人で自己肯定感の低い人の原因には、子ども時代の環境や大人からの言動が大きく影響しています。
もちろん、大人になってからでも自己肯定感を育てることはできますが、なるべく早い時期に自己肯定感を育む方が、その後の長い人生に与える良い作用を考えると望ましいでしょう。
自己肯定感を高めるために取り入れたい習慣6つ
子どもの自己肯定感を高めるためには、親の関わり方が大きく影響します。
親からの愛情をたっぷりと受けることで自分が大切な存在であると認識することができ、自己肯定感が高まっていきます。
日々の生活で少し意識するだけでできることはたくさんあります。
ここでは子どもの自己肯定感を高めるために日頃から取り組めることを6つご紹介します。
子どもとの会話を大切に
「家の人に話を聞いてもらっている」と実感できている子どもほど、自己肯定感が高くなります。
子どもに話かけられた時には、何かしている最中でも手を止めて、必ず顔を見てきちんと話を聞きましょう。
手が離せない時には、「ちょっと待ってね」と伝えて待ってもらいます。その後、「待っててくれてありがとう」と伝えてから子どもとの会話に入ります。
スマホを見ながらの生返事などもっての外です。子どもはとても敏感です。親は話を聞いているつもりでも、子どもは「話を聞いてもらっていない」と感じてしまいます。
子どもがお手伝いをしてくれた時には、お手伝いをしてくれたことに対して、「ありがとう」ときちんと伝えます。
子どもの行動や問いかけに対して、きちんと答えることがポイントです。
子どもが「ちゃんと聞いてもらえている」「受け入れてもらえている」という感覚を持つことで、自分に自信がつき自己肯定感がアップします。
子どもの主体性を尊重する
子どもは成長とともに自分で決められることが増えていき、好みもでてきます。
心配だからと先回りをして準備し、決められた答えに導かないよう気をつけましょう。
子どもにも自分のことは自分で決める権利があるのです。
なんでも親が決めてしまうと自分の意見は尊重されないと感じるようになり、自己肯定感が低下していきます。
子どもの年齢に応じて選択肢を用意するなどして、「自分で決める」練習ができるといいですね。親が決めるべき問題を子どもに委ねてはいけませんが、年齢に応じた判断力を育てるためにも「決められること」は大切なスキルです。
時間がかかっても出した子どもの答えは尊重してあげてください。自分の意見を否定せず肯定的に受け止めてもらえることが、子どもの自信につながります。
他の子どもと比べない
他の子どもと比べてできていない部分を指摘すると、子どもは自信をなくし、やる気を失ってしまいます。
誰かに比べて劣っている自分に自信は持てません。
自己肯定感を上げるためには、友だちとの比較ではなく、お子さんがどれだけ頑張っているか、どれだけ成長しているかに目を向けて努力をたたえる言葉かけをしましょう。
失敗しても叱らない
子どもが失敗したときや上手くできなかったときに、
なんでできないの?
もっとできるでしょ
失敗しちゃった。どうしよう...
子どもはこんな風に叱られると、次からは失敗しないように行動するようになります。
失敗を叱責される声かけが続くと、積極的に行動できなくなり、チャレンジ精神を失ってしまいます。
「がんばってえらかったよ」
「結果は残念だったけどがんばったね」
結果に一喜一憂するのではなく、頑張った経験が子どもの自信につながる声掛けを心がけましょう。
結果に目が行きがちなのは子どもも同じです。
親が子どもの努力を認めることで自己肯定感を損ねないようにサポートしましょう。
厳しくしつけをしない
きちんとした大人に育ってほしいと思うあまり、必要以上に厳しくしていないでしょうか。
幼少期は子どもにとって親が唯一の味方です。大きな存在である親から過度な厳しいしつけを受けると、「自分はダメなんだ」「愛されていないんだ」と感じて自己肯定感が下がってしまいます。
とはいえ、お子さんに注意をしなければならない場面もありますよね。そんなときは伝え方を工夫してみてください。例えば、「走るな!」と命令口調で注意しても、強制的にやめさせるだけでその場しのぎになってしまいます。「歩いてね」と子どもが自分から行動するような声かけをしましょう。
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夫婦のどちらかが叱っていたら、片方はその場から去り後のフォロー役にまわるなども有効です。立場の弱い子どものために逃げ道を用意する方法です。
感情が高ぶっている場合は、深呼吸して少し間をおきましょう。
「必要以上に厳しくしない」ということがポイントで、怒ってはダメということではありませんので、意識してみてください。
たくさんほめる
慌ただしい日々の中ではどうしてもできないこと、注意することにばかりに目がいきがちですよね。
日常的にほめることはとても大切です。些細なことでもかまいません。
日々のちょっとした声かけで子どもは変わります。プラスの言葉をたくさん浴びることで、お子さんが「自分は大切な存在なんだ」と感じて、自己肯定感が高まっていきます。
たくさんほめることがない場合
一つの行動で始まりと終わりをほめると二回ほめることができます。
お手伝いをしてくれたら「お手伝いしてくれてありがとう」とすぐに感謝を伝えます。そして、お手伝いが終わったら、「最後まで手伝ってくれてありがとう。助かったよ」とお手伝いを終えたことをほめます。一生懸命取り組んでることをほめてもいいですね。
こうすることで、一つの行動でいくつもほめられポイントを作ることができます。
まとめ
ここまで自己肯定感の大切さ、自己肯定感を育てるための方法を解説してきました。
忙しい日々を送っていると、どうしてもできないことに目が行きがちです。
でも、子どもにとって叱られるばかりの毎日では窮屈で、ストレスがありますよね。
子どもの自己肯定感を育むためには、「あなたが大切だよ」と日頃から子どもに伝えることが大切です。自己肯定感を高めることは、子どもにとって日々の幸福感を高めることにもつながります。
自己肯定感を高めるのに遅すぎることはありません。今日からでも大丈夫なので、できることから取り組んでみてください。
もちろん、お母さん自身が自己肯定感を高めることも大切です。自分のことを大切に思うことで心に余裕がうまれます。無理せず自分の人生を楽しむことも忘れないでくださいね。