毎日ゲームをやめるように叱ってやめさせてる状態で、ゲーム依存にならないか心配です。
ゲームは面白いですからね!健康的なゲームとのつきあい方を身につけてもらいましょう。
DSM-5(アメリカ精神医学会の診断・統計マニュアル)においてゲーム依存が精神疾患として認定され、WHO(世界保健機関)の国際疾病分類ICD-11にゲーム症(障害)が含められたことで、世界的にもゲームで遊びすぎることが障害として注目されています。
(参考記事)インターネット・ゲ一ム障害 (Internet Gaming Disorder, IGD)-厚生労働省HP
この記事では、
- ゲーム依存とは
- ゲーム依存と発達障害の関係性
- ゲーム依存にならないためにできること
こういった内容を解説していきます。
ゲーム依存とは
ゲーム依存とは、日常生活においてゲームに過度に没頭し、他の重要な活動が疎かになる状態を指します。
この状態に陥る原因は、ゲームが魅力的であることの他に、子どもが生活の中で不安や悩みを抱えていることが遠因として存在している場合もあります。競争や成長の要素、仮想世界での達成感が利用者を引きつけ、現実の課題から逃れさせてくれるのです。
ゲーム依存の定義
ゲームに限らず、ギャンブルや買い物などの行動がエスカレートしてコントロールできなくなることを依存(嗜癖)と言います。
「快感、多幸感、ワクワク感、楽しさなどを追い求める行動がエスカレートし、やがてその行動のコントロールができなくなる状態。その行動の行き過ぎに起因する、健康問題、家族・社会的問題等と伴う」
厚生労働省-ゲーム障害について
ゲーム依存は、ゲームに異常な執着を示し、日常生活や社会生活に支障をきたしている状態です。
このような場合は病的な状態ですので、早期の認識と適切なサポートが必要です。
子どもも大人も惹きつけるゲームの魅力
やり込み要素や、定期的な更新による飽きさせない工夫など、ゲームには人の心を引き付ける工夫が凝らされています。
たくさんの子どもたちや大人たちが、ゲームに時間とお金を注ぎ込んでいるのは、ゲームが面白いからです。
ゲームの要素を学習に生かす取り組みも
現代では「ゲーミフィケーション」といって、ゲーム以外のコンテンツでもゲームの要素を設計に取り入れ、ユーザーのモチベーションや参加を促進する手法もあります。
ポイント、ランキング、バッジ、クエストなどのゲーム的な要素を活用して、業務や学習などの活動に興味を引きやる気を高めるのです。
ゲーミフィケーションは、目標達成をサポートする効果的なツールとして学習面でも利用されています。
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発達障害の子どもにとってのゲームとは
発達障害の子どもはゲーム依存になりやすいと言われています。ASD、ADHDの特性とゲーム依存の関係性について解説していきます。
ASDの特性とゲーム依存
他者とのコミュニケーションが苦手なASD(自閉症スペクトラム障害)の子どもにとって、ゲームの世界は現実世界よりコミュニケーションの方法がわかりやすい場所である可能性があります。
興味に偏りがあり、規則性があるものを好む特性があるめ、ゲームの中の規則が明確で予測可能な環境が心地よく感じるのです。この特性から、ASDの子供はゲームに没頭しやすくなります。
ADHDの特性とゲーム依存
ADHDの人には集中力の持続が難しい傾向がありますが、それよりも集中しすぎる状態「過集中」の状態が問題になることが多いのです。
ゲームはビジュアルや音響など多彩な刺激が集中がそれることを防ぎ、好きなゲームに没頭している間は声をかけられても気づかず、何時間でも遊んでしまうということがあります。
アメリカではADHDの治療にビデオゲームが認可されていて、日本でも研究が始まっています。ゲームの力を借りて、子どもの日常生活や学業における困りごとが減り、生活の質が上がることが期待されます。
「ビデオゲームを用いて注意欠如多動症(ADHD)を改善する治療機器の研究開発プロジェクトについてAMEDと契約締結」-名古屋大学医学部附属病院
ゲームとのつき合い方を身につけるには
お子さんがゲームとの正しいつき合い方を身につけるために、お母さんは「ゲームのプレイ時間を短くすること」に目が行き過ぎないように注意しましょう。
目標は、「自分でゲームの時間をコントロールできるようになってもらうこと」で、お子さんがゲームを自分で終わりにする力を育てることです。そのために、以下のふたつのことに取り組むと良いでしょう。
- ゲームの約束をする
- ゲーム以外の楽しみを持つ
子どもと「ゲームの約束」をする
親子で話し合って決める
子どもと話し合って希望を聞き、子どもの意見を取り入れたルールにしましょう。
「お子さんが決めた」と感じることが大切です。押し付けられたルールだと長続きしません。
自分でやめられる力を育てる
ルールを決めても、親がやめるように言ったらゲームをやめる状態が続いていては意味がありません。
あくまでも子どもが自分でゲームをおしまいにする力を育てることを目標にしましょう。そのためには、子どもが前向きに守れる約束が必要です。
約束をするタイミング
子どもがゲーム機を欲しがった時が、使うルールを約束するチャンスです。
一度手に入れたもの(ゲーム機本体やゲームができる時間)を手放すのは難しいので、「ルールを決めて守ると約束しなければ買わない」という姿勢で話し合いを提案しましょう
ご褒美を用意する
18時に約束通りに終われたらお風呂の後に20分遊んでも良い。
お母さんは大変かもしれませんが、自分で切り上げるタイミングが何度もあった方が、自分でゲームを切り上げる練習になります。
その他にも、お手伝いをしたらゲームの時間が10分もらえるなどのごほうび制度を設けると、ゲーム感覚でお手伝いにも取り組め、ゲームの持ち時間を意識することにもつながります。
繰越ルールも考える
子ども達の生活も何かと忙しいですので、何かの都合でその日のゲームで遊べる時間を消費できなかった時のルールも決めておくことをおすすめします。
夜になって、「まだゲーム時間を消費できていない」と焦る必要がなくなります。
睡眠時間は健康にとって大切だから一日のおしまいの時間があることも、お子さんに説明しておくとよいでしょう。
絞めつけ過ぎないルールを作る
子どもが意欲的に守れるようなルールを設定しましょう。厳しすぎるルールは逆効果になってしまう可能性があります。
「ゲームは1日20分」とお母さんに言われている子どもは友だちの家で遊んだり、持ち出して公園で遊ぶなど、お母さんにわからないようにゲームをしてしまっては本末転倒です。
ゲームを理解する
お子さんが好きなゲームについてある程度知っておくことも大切です。
お子さんが何を楽しみにゲームをしているのか、声をかけられてからやめるまでの手順はどういったものかなど、一緒にゲームで遊んだり、お子さんが遊ぶのを横で見るなどして、ゲームについてある程度理解しておきましょう。
完璧を目指さない
ルールを決めたのに元も子もないのですが、「子どもがゲームをやめることは簡単ではない」と意識しておきましょう。
約束の時間にゲームがやめられらなかった時に、頭ごなしに叱るのはあまり良い手ではありません。遅れた理由を確認して、次は気をつけようねと次に期待しましょう。
お母さんも、ママ友とのランチ会が楽しすぎて時間がオーバーしてもおしゃべりが弾んでしまう...なんてこともありませんか?。
お子さんにも、「たまにはそんなことあるよねーっ」という対応も、時には必要だと思います。
親子でルールを守る意識を持つ
親の気分でルールを変えてはいけません。一貫性のないしつけは子どもの信頼を失います。
子どもの状況が変われば、ルールを決め直す必要は出てきます。
その度に親子で話し合って新しいルールを作りましょう。
スマホとのつきあいにつなげるために
ゲームとのつき合い方を身につけることは、いずれ持つことになるスマホ、ネットとの上手なつき合い方への地ならしにもなります。
ネットを介して他人と交流するゲームもありますので、いずれスマホを持つことを念頭に子どものネットリテラシーを育てていきましょう。
ゲーム以外の趣味を持つ
ゲーム以外の楽しみを持つことは、間接的ではありますがゲーム依存の予防となるので、長期的に見てとても大切な取り組みです。
ゲーム以外の趣味を持っていると、精神的なリフレッシュ方法を複数持つことになるので精神的に安定します。
ゲームだけじゃない人生の楽しみ方を知っていることは、お子さんの人生にとてもプラスになるでしょう。
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ゲームが大好きなお子さんなら、ゲームを作る人になれば才能を発揮する可能性もありますね。
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まとめ
この記事では、発達障害の子どもとゲーム依存の関係性や、ゲームと上手につきあうために必要なことについて解説しました。
うまくつきあえば、ゲームは家族の共通の楽しみとして活躍してくれるはずです。
お子さんが楽しい趣味の一つとしてゲームと上手につき合えるように、この記事でご紹介したゲームとのつき合い方を身につける方法をぜひ実践してください。